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京都発の国産腕時計ブランド「KUOE」はなぜ越境 EC で成功したのか

更新日:2023年4月13日

京都発のクラシックウォッチブランド「KUOE(クオ)」。売上の多くが海外からの注文であり、越境 EC ビジネスで大きな成功を遂げています。同社のビジネスの要となっているのが、売上の 95% を占めるという自社 EC サイト。サイト制作には Wix が用いられており、ネットショップやサービス予約、マーケティング・SEOツールなど様々な機能を使いこなしています。


なぜ ネットショップ構築のツールとして Wix を選んだのか。どのようなメソッドで越境 EC を成功に導いたのか。KUOE GLOBAL Inc. 代表取締役 内村健⼆さんにお聞きしました。

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KUOE GLOBAL Inc. 代表取締役 内村健⼆さん


■京都発のクラシックウォッチブランド


――腕時計ブランド「KUOE(クオ)」の公式サイトを Wix で制作されています。まずはKUOE についてご紹介いただけますか。


内村:KUOE は京都発のクラシックウォッチブランドです。2020 年にブランドを立ち上げ、同年にはクラウドファンディングで 1,300 万円を超える資金調達に成功しました。KUOE の特徴は国産のクラシックウォッチであること。また、オフィス内に併設された工房で組み立てを行い、商品を出荷するという、業界でも珍しい形態の D2C ビジネスを採用している点です。このビジネスモデルにより、中間マージンを削減して価格を抑えながら高品質な日本製の腕時計を販売できるのです。


――モール型 EC サイトへの出店はされていないのでしょうか。


内村:大手モール型 EC サイトには出店しています。ただ、そうしたショッピングサイトは出店料を支払う必要があり、かといって価格を上げるわけにはいかないので、利益がかなり減ってしまいます。また、国内向けのショッピングサイトの場合、海外向けの展開がやりにくいというデメリットもあります。特に KUOE の場合、売上の多くが海外のお客様ですから。


■自分の中にあるイメージを正確に再現するため Wix を採用

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KUOE の日本語サイト URL: https://www.kuoe-jp.com/


――公式サイトがビジネスの要なのですね。そんな重要な存在である公式サイトの構築に、Wix を使おうと思った理由は何だったのでしょうか。


内村:公式サイトをつくる場合、一般的には Web 制作会社に依頼して制作するケースが多いと思います。ですが、KUOE は当時まだブランドを立ち上げたばかりで、外注するほどの資金がありませんでした。加えて、外注しなかった最大の理由は、自分の中にあった Web サイトのデザインイメージを業者に正確に伝えるのが難しいと思ったことです。KUOE の世界観やブランドのイメージを言語化し、それを業者と共有してイメージ通りのサイトをつくるのは大変ですし、時間もかかります。それなら、自分自身でサイトを制作しようと思ったのです。


そこで、手軽にサイトを制作できて、なおかつ自分のイメージを具現化できるだけの自由度を持ったツールを探した結果、Wix にたどり着きました。


――サイトの制作期間は?


内村:公開までにかかった期間は 2〜3 ヶ月です。といっても、時間がかかったのは写真素材などの準備で、サイトそのものはもっと早く完成しました。


――サイトに関しては最初からかなり具体的なイメージを持たれていたとのことですが、こだわった点を教えてください。


内村:何よりまず、お客様にとって見やすいサイトであることです。シンプルで迷わない設計を心がけています。また、写真とテキストにもこだわっています。私は独立前に 7 年間、時計の EC サイト運営に携わりました。その経験から、EC サイトで商品の魅力を伝えるにはまず写真が重要で、次にテキストが大事だと学びました。KUOE でも商品の魅力をしっかりと伝えられる写真とテキストを意識しています。



■Wix を選ぶ決め手になったネットショップ機能とサービス予約機能


――他社のサイト制作ツールではなく、Wix を選んだ決め手は何だったのでしょう。


内村:まず、ノーコードで簡単に制作できることです。私は大学時代、情報系の学科にいたのでプログラミングもできるのですが、Web 系ではなかったのでサイト制作は専門外でした。Wix と同じようなノーコードツールを他にも検討はしたのですが、使い勝手と機能の部分で一番しっくりきたのが Wix だったのです。


――使い勝手というと、具体的にはどんな点がしっくりきたのでしょうか。


内村:Wix は最初にまっさらなテンプレートがあり、そこにパーツをドラッグしながらサイトをデザインしていきます。この手法が、自分の頭の中にあるデザインをそのまま落とし込むのに最適でした。


――機能面で気に入った点は何でしたか。


内村:自社サイト内で EC ビジネスを行うわけですから、当然ネットショップ機能は必須でした。また、気に入っているのはブッキング機能です。現在、自社のオフィス内にショウルームを設置して来店を受け付けているのですが、その来店予約に Wix のサービス予約機能「Wix ブッキング」を活用しています。一応、電話等でも来店予約は受け付けているのですが、予約のほとんどはサイトのブッキングページから来ている状況ですね。


――来店されるお客様は購入意欲の高い方も多そうですね。


内村:そうですね。ブッキング機能を使って来店される方はほとんどが日本人で、海外のお客様は直接ショウルームにいらっしゃることが多いですが。


――直接というと、通りがかりにショウルームを訪れるということですか?


内村:いえ、KUOE のことを知らずに通りすがりでいきなり入って来られる方はほとんどいません。多くの方は SNS 広告などで KUOE のことを知り、日本への旅行などを機に立ち寄られるケースが多いです。そうしたお客様は購入意欲が高く、来店されると何かしら商品を購入してくださいます。多いときで 1 日に 4〜5 組の海外のお客様が来店され、1組で15万円以上のお買い物をされることもあります。


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ネットショップ機能「Wix ストア」で作成した商品ページ



■認知度向上から購入につなげるポイントとは――越境 EC 成功のメソッド


――KUOE は売上の多くが海外とのことですが、具体的にはどのあたりの国や地域から購入されることが多いのでしょう。


内村:北米、アジア、中東、ヨーロッパなど約 20 ヶ国にマーケティングを展開しており、特にアメリカやカナダといった北米から購入されるお客様が多いです。現在アメリカは 800 ドル以下の商品に対して関税がかからないので、KUOE の商品単価的に購入しやすいのでしょう。


――KUOE のように越境ECで成功するのは簡単ではありません。どのような手法で集客やマーケティングを行っているのでしょうか。


内村:メインのマーケティングは SNS です。自社の SNS 運用はもちろん、SNS 広告も出稿しています。Wix のダッシュボードから直接出稿できるのが便利で使っていますね。その際、ポイントになるのはやはり写真です。広告に使用する写真は反響を見ながら随時入れ替え、効果の最大化を狙っています。


他にもインフルエンサーとのコラボレーションも行っています。ファッション系のインスタグラマーなどに商品を提供し、着用した写真を投稿してもらうことで認知を広げています。国内では雑誌への掲載なども集客につながっています。


――商品の認知を拡大した後、購入につなげる施策は?


内村:サイトを訪れた方には、会員登録を条件に初回購入限定の 5% クーポンを配布しています。5% はかなり大きな割引なので、KUOE に興味を持ってくださった方の多くが登録していただけます。そうして集めた会員には、キャンペーンや新商品の発売のタイミングに合わせてメルマガを配信しています。これは、Wix のメルマガ機能を用いています。開封率も高く、かなり効果が出ていると感じます。


――サイトの分析や SEO 対策はどのように行っていますか?


内村:サイトのパフォーマンス分析は、 Wix のアクセス解析機能を使っています。サイトのセッション数やコンバージョン率を確認し、数値が下がってきたら広告効果を見直すなどPDCAを回しています。また、SEO 対策は Wix の SEO ツールを使っています。キーワード設定では、Wix が公式に連携している Semrush の連携機能も使いましたね。もっとも、KUOE は「腕時計 メンズ」といった一般的なキーワードよりも、ブランド名で指名検索して来られる方が圧倒的に多いです。この点は、マーケティングによる認知度向上の効果がしっかり出ているからだと思います。


■ショウルームを設けているのは越境 EC のネックになる「信頼性」を高めるため


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サービス予約機能「Wix ブッキング」で作成した来店予約ページ


――KUOE は公式 EC で成功している一方、自社内にショウルームを設けて来店も受け付けています。ネットだけでなくリアルでもお客様との接点を持つ理由は?


内村:大きな理由は信頼性の担保です。私たちがもし海外のECサイトで商品を購入する場合、「本当に届くんだろうか」とか「ちゃんとしたブランドなんだろうか」とか不安になりませんか?それは海外の方も同じなんです。越境 EC のハードルを越えてもらうには、“信頼性” が重要です。インフルエンサーマーケティングを行っているのは、信頼性を高めるためでもあります。


もう 1 つ、信頼性を高めるのに効果的なのが実店舗を持つことなんです。ネットの広告で見て興味を持ったけれど、よくわからなくて怖い。だけど、海外でも有名な街である京都にショウルームがあるとなれば、それだけで安心感が生まれるものです。


――実際に訪れるかは別として、「ショウルームや店舗が実在している」という事実そのものが信頼性を高めるのですね。


内村:そうやって一度注文していただければ、高品質な商品が届きます。そして、「ちゃんと届いた」という話題を SNS などに投稿してもらうことで、さらに信頼や安心感が醸成できるという流れです。


■実店舗オープンやサイトの多言語対応でさらなるビジネス拡大を目指す


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KUOE が手がける日本製の高品質な腕時計


――とはいえ、やはりお客様にとって最大の信頼性につながるのは、商品そのものの品質の高さでしょう。あらためて、KUOE の魅力について教えていただけますか。


内村:今、様々なジャンルにおいて「日本製」の地位は残念なことに落ちてきています。しかし、こと時計に関しては今もなお「Made in Japan」のバリューは大きいです。日本製を名乗るからには、ムーブメントが日本製であり、組み立てを国内で行う必要があります。さらに、KUOE は自社工房で組み立てを行っており、そのことをサイトでも発信しています。しっかりとした made in Japan クオリティであることが、海外のお客様に響いているのだと思います。


――今後の展望についてお聞かせください。


内村:2024 年には直営店舗を京都に出店したいと考えています。現在あるのは自社オフィス内のショウルームですが、そうではなく純粋な販売店舗をつくりたいのです。また、現在は日本語版以外だと英語版のサイトしかありませんが、Wix のマルチリンガル機能を使えば他の言語にも対応できますから、韓国語やスペイン語、中国語など多くの言語に対応させたいですね。


――Wix を活用して越境 EC を検討中の方へメッセージをお願いします。


内村:越境 EC の鍵となるのが自社 EC サイトです。Wixを使えば、EC サイトリリースのハードルが大きく下がります。また、SEO 対策ツールやメルマガ機能、SNSとの連携機能なども充実しており、集客する手段が豊富に容易されている点も Wix の魅力です。国内だけでなく、海外に発信していく上で必要なツールが一式そろっているので、越境 EC に最適なツールだと思います。


――ありがとうございました。





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