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Web3 時代の音楽ビジネスに「ノーコード」ツールが必要な理由

今回はWix パートナーでアーティストや指導者としても活躍されている、株式会社ブラッシュミュージック 代表取締役 稲田大輔さんが運営する「 SHINKUKAN 」というアーティストのためのプラットフォームについてお話を伺いました。 Wix を使った新しいビジネスの創出秘話をお楽しみください。


アナログ的な温かさを持つ音楽コミュニティと、デジタル時代の音楽ビジネスの両立をコンセプトにローンチされた「SHINKUKAN」。同サービスは大部分が Wixで構築されており、ネットショップやイベントなどの機能を活用して、これまでになかった音楽サービスを実現しています。


SHINKUKAN が提供する “Web3 時代の音楽ビジネス” とはどのようなものなのか。なぜ、Wix による構築にこだわったのか。SHINKUKAN を提供するブラッシュミュージックの代表であり、自らもアーティストとして活動する稲田大輔さんにお話を伺いました。


株式会社ブラッシュミュージック 代表取締役 稲田大輔さん

株式会社ブラッシュミュージック 代表取締役 稲田大輔さん



■アナログとデジタルの両面を持つサービス「SHINKUKAN」


――「SHINKUKAN」のコンセプトについて教えてください。


稲田:SHINKUKAN は、アーティストが楽曲や映像を登録し、サブスクリプションで利益を生み出したり、ライブの告知を行ったりするためのプラットフォームです。ユーザーは月額料金を支払ってコミュニティに参加し、コンテンツを楽しむことでアーティストを支援できます。


SHINKUKAN というサービス名には 2 つの意味があります。まず、1 つが「真空管」です。真空管とは、オーディオ機器に使われている部品で、アナログな構造ゆえに温かみのある音が生まれます。そんな人間味に溢れた「あたたかい」というような曖昧な空気感や表現、音がこれからの時代にとても大事なものになってくると思っています。


そこで、デジタル化していく世の中であっても温かい音楽で温かいコミュニティを作っていきたいという想いを込めました。


もう 1 つはアナログとは逆で、時代の流れに合わせてデジタル空間での新しい音楽ビジネスと価値観を共有、想像する「新空間」の意味を持たせています。これからはブロックチェーン技術などを活用して、特定のプラットフォーマーに依存せずデータを分散管理する Web3 の時代がやってきます。また、自分たちのアバターを介して仮想空間に入るメタバースも注目されています。そんな中、デジタル空間とアナログの両面を行き来しながら、アーティスト個人のブランディングやキャッシュポイントを作っていく。それを Wix を使って実現させる。言い換えると、Web3 の一歩手前のような Web2.5 の世界観を目指しています。


SHINKUKAN のサイト URL: https://www.shinkukan.live/

SHINKUKAN のサイト URL: https://www.shinkukan.live/



■ノーコードツールで制作することにこだわった


――SHINKUKAN の制作に Wix をご活用いただいています。なぜサイト制作のツールとして Wix を選ばれたのでしょうか。


稲田:サイトを制作する上で、そもそも「ノーコードである」ことにこだわっていました。その理由は、アーティストと音楽ビジネスの距離を縮めたいからです。


少し私自身についてお話すると、私は SHINKUKAN の運営のほかに音楽や映像コンテンツ制作、原盤制作などを行うブラッシュミュージック社の代表であり、音楽ビジネスとアーティストを仲介する A&R(アーティスト&レパートリー) や音楽プロデューサーとして事業を展開しています。また、それと同時に自分自身が元バンドマンでもあります。


アーティストから見れば「ずいぶんビジネスマインドの強いアーティストだな」と思われているかもしれませんし、ビジネスサイドから見れば「かなりアーティスト色の残った事業者だな」と思われているかもしれませんね(笑)。


しかし、それこそが私の個性だと思っています。アーティストと音楽ビジネス、両方のことがわかるからこそ、アーティストエージェントとして立ち回れるのです。


そうした立場から常日頃思っていることがあります。これまではアーティストと音楽ビジネスサイドの役割ははっきりと分かれていました。アーティストはクリエイティブとパフォーマンスが役割であり、音楽ビジネスサイドはそれをビジネスにつなげるのが役割でした。


この既存の古い考え方の課題を、私はノーコード Wix で解決できるのではと期待しています。今後「表」に立つアーティストと、「裏方」としての音楽ビジネスサイドの垣根はどんどんなくなっていくでしょう。


――アーティストであり、同時にビジネスパーソンでもある、まさに稲田さんのような存在がこれから増えてくると。


稲田:はい。そして、そのためには SNS など既存のプラットフォームに依存しない「住所」をアーティストが持たなければなりません。アーティストは、その「住所」を活用してキャッシュポイントをつくり、音楽をマネタイズしていくのです。


ですが、多くのアーティストはそれほど高い IT リテラシーを持っているわけではありません。また、ビジネスを生み出せるような機能を備えたサイトの構築を制作会社に依頼するほどの予算も持っていません。


そこで重要になるのが、先ほどお伝えしたノーコードなんです。IT リテラシーが低くても、タイムリーにすばやくキャッシュポイントを生み出し、音楽ビジネスを加速させるには、ノーコードであることが必要です。


SHINKUKAN は、そのロールモデルとしての役割も担っています。私が考えているような新しい音楽とビジネスのあり方をいきなり実践するのは簡単ではないでしょう。だからこそ、まずはノーコードで制作した SHINKUKAN を通して、アーティストに次世代の音楽ビジネスのあり方を伝えたいのです。


■Wix の機能は音楽コンテンツと好相性


――Wix のほかにもノーコードツールはありますが、Wix を選んだ決め手は何だったのでしょう。


稲田:実は 4 年以上前に、別のノーコードツールを使っていたこともありました。そのツールと比べて、Wix はデザインの自由度、ストリーミングやチケット販売、サービス予約といったビジネスの機能が優れており、音楽コンテンツとの相性が非常に優れていると感じました。また、機能アップデートのスピードやカスタマーケアのレスポンスも非常に早く、機能の検証と改善のサイクルを高速で回せる点も Wix ならではの特長です。


――サイト制作に着手してからどれくらいで公開に至りましたか。


稲田:サイト制作に着手したのは 2 年ほど前です。Wix で大枠を作って形になるまでは数日しかかかりませんでした。そこから写真素材を用意したり、一部コードが必要な機能の追加に時間を要したりしたので、正式ローンチは今のタイミングになりましたが。


■ネットショップ機能やイベント機能、他サービスとの連携機能などを活用


SHINKUKAN では楽曲、ライブ映像の一部が無料で視聴できる


――具体的に Wix の機能をどのようなサービスに活用されているのか教えてください。


稲田:まずは、アーティストが自身の楽曲や映像を登録できる機能です。コンテンツは全てVimeo にアップするのですが、この楽曲や映像コンテンツをサイト内で公開するのに Wix の連携機能を活用しています。


また、SHINKUKAN には、月額 1,000 円でメンバーシップとなり、音楽や映像コンテンツ見放題などのサービスを提供しております。この月額 1,000 円のうち、利益50%を楽曲や映像の再生回数に応じてユーザーにキャッシュバックされます。そして、残った50%は SHINKUKAN のアーティストを海外に広めるためのデジタルマーケティング費用に使います。ユーザーが SHINKUKAN に支払ってくれたお金については、1 円も私たちの利益にはしません。この部分はすべて公開して、透明性高く運営していきます。もちろん、SHINKUKAN の運営費も必要ですが、それは売上から生まれるレベニューシェアで賄う予定です。ユーザーと共にコンテンツを成長させてグローバルに活躍していくアーティストや楽曲を共有していくことが目的です。


また、アーティストを直接支援できる機能があります。この支援機能を実現するのに Wix のネットショップ機能「Wix ストア」を用いています。会員になったユーザーは、アーティストの原盤権および著作権を保持したり、クラウドファンディング的なサポートをすることができます。


――原盤権と著作権をユーザーが持つのですか?


稲田:はい。日本ではあまり浸透していませんが、海外では楽曲の原盤権や著作権をユーザーがお金を支払って保持するファンドのような仕組みがあるんですよ。音楽サブスクリプションサービスなどで再生されると、報酬の一部が原盤権や著作権を保持しているユーザーにも入るんです。(*現在β版として検証及び実装中)


――ほかにも Wix の機能は使われていますか。


稲田:SHINKUKAN は、ライブなどのイベントのチケットを販売できる機能を備えています。このチケット販売に、Wix のイベント機能を使用しています。SHINKUKAN が積極的にイベントを推しているのは、基本的に Web3 の世界と音楽の相性が良くないと思っているからです。音楽そのものは耳で楽しむものですが、メタバースなど Web3 の世界は視覚で楽しむコンテンツが有利だからです。ではそういう時代に音楽ができることは何かというと、コミュニティだと思います。つまり、“音楽でつながる” ということです。それがライブなどのイベントです。もちろん、大規模なフェスをはじめ、音楽コミュニティの入口はすでに存在します。ですが、その「コミュニティ」部分にこそ価値があるということは、まだ定義できていないと思っています。SHINKUKAN では、その定義を行っていきたいと考えているんです。


チケット販売・管理が可能な「Wix イベント」で作られたイベントページ


――そうした楽曲や映像の視聴回数だったり、イベントの売上だったりといったデータは、アーティスト自身も確認できるのでしょうか。


稲田:もちろんです。SHINKUKAN にログインしてもらえば、ダッシュボードから詳細なレポートを確認できます。レポートはチケット販売やダウンロード回数など 6 種類あり、データは 1 ヶ月に 1 度のペースで更新されます。こうした高度な機能は「Velo by Wix」を使って実現したのですが、JavaScript の知識が必要なため、DeFi 合同会社さんに開発をお願いしました。


他にも、ユーザーとアーティストが直接つながれるコミュニティ機能もあります。このコミュニティ機能を使って、ユーザー同士の交流はもちろん、SHINKUKAN 運営チームからのデジタルマーケティングの報告レポートなども共有しようと考えています。


■Wix による顧客管理がその後のビジネスチャンスを生む


――あらためて、Wix でサイトを制作するメリットや、クリエイターにおすすめできるポイントについて教えてください。


稲田:Wix の最大のメリットは、ビジネスのすべてを一元管理できることです。一般的には、サイトを持っていても、チケット販売などの決済機能は大手のチケット予約・購入プラットフォームを利用していることが多いんです。


しかし、そうしたプラットフォームを使うと、チケットを購入してくれた顧客データの詳細を取得できません。チケット販売業者がデータを開示できないのは法律的な縛りによるものなので、仕方ないんです。一方で、Wix を使えば入金から顧客管理まで一貫して自分たちで管理できます。すると、その顧客データを活用してメルマガを打ったり、コンタクトをとったりといったプロモーション、さらに属性、地域、年代などの細かいアナリティクスが可能になりトータル的なマーケティングとして活用できるんです。契約に関しても電子署名機能が使えるなど、非常に便利で Wix 内で完結できます。


こうした Wix の特長は、クリエイターにも多くのメリットがあります。さらに、Wix で制作できるサイトはデザインも優れたものが多く、写真やテキストを入れるだけで瞬時にかっこいいサイトが完成します。公式サイトやファンクラブサイトなど、あらゆるサイトが作れるため、別々のプラットフォームに依存する必要がなくなるのです。


――最後に、今後の展望について教えてください。



稲田:現在、59 名のアーティストが SHINKUKAN に登録していてコンテンツは500以上の音楽と映像オリジナルコンテンツがあります。この人数をどんどん増やしてサイトを拡大していきたいですね。また、多くのアーティストがプラットフォームに依存しない「住所」を持つための支援はもちろん、キャッシュポイントの確立やブランディングの強化といった、さらにその先に進んでいくためのサポートも積極的に行っていきます。


SHINKUKAN のような取り組みは海外も含め、まだ新しいものです。必ず成功させて、グローバルマーケットに展開していきたいと思います。


――ありがとうございました。




1 comentario


Really cool to see how SHINKUKAN uses no-code tools to empower creators!At RBTV77 TV, we focus on sports streaming, but the idea of owning your own digital space hits home.The Web3 angle is exciting — decentralization matters across music, sports, and entertainment.We love seeing platforms that give power back to the creators and fans.Big ups to the SHINKUKAN team for pushing boundaries!Looking forward to seeing how Web3 transforms all content spaces.#Web3 #NoCode #StreamingInnovation

Let me know if you want a shorter or punchier version!

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